未来の歴史学者たちが、私たちが生きる今の時代を考察する時には、かなり広範囲に渡る興味深い現象を議論することとなるでしょう。中でも未来の世代にとって、最も重要になるに違いないのは、環境がいかに汚染され、被害を受け、危機に瀕しているかということを、私たち人間がやっと認識したという事実でしょう。この認識を広める動きには、社会における組織の最上層部においてだけではなく、様々な社会運動を行っている一般の人々も積極的に貢献しています。西欧諸国の大多数では、ゴミの分別を行い、リサイクルできるものは規定の場所に捨てることが義務付けられています。電気自動車の数も急激に増加し、再生可能エネルギーに一刻も早く切り替えるべく関係各社が全力で取り組んでいます。オーガニック食品の割合も、これまでの記録を更新し続けています。各国の政府は、今後 5〜10 年の間に、太陽光パネル、風力発電機、波力発電機の数を倍に増やすことを計画しています。また、G7のリーダーたちは核軍縮について絶え間ない交渉を続けています。総合的に考えてみると、状況はゆっくりですが確実に改善しています。しかし、 これだけでは決して十分ではありません。私たちは環境問題をあまりにも長い間放置し続けてきました。環境汚染を解決するための、より広範で国際的なイニシアチブが切実に求められており、そのような動きには測りきれない価値があるのです